デッドストック系なんですよね…私って

日記
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改めて言うのもなんですが四十路で独身なんですよ、私。

でもね、うら若き乙女の頃は未来予想図ちゅーの思い描いてた訳ですよ…こんな私でもね。

ドリカムの未来予想図って曲が世間を賑わせてたあの頃。
友達と互いの未来予想図について、それはそれは語りあったりしたもんよ。

小、中学生の頃はまだ可愛らしかったのね。
女子でありがちだと思うけどね、例えば私の名前が佐藤花子だとするじゃない?
で、好きな男子の名前が丸岡太郎くんだったとしようじゃないの。
もしか、太郎くんと結婚したら私ってば「丸岡花子」になるのかぁ…
なんつって授業中とかに丸岡花子になった自分を想像して名前の練習してみたりするのね。
ノートの片隅に「丸岡花子」って書いてみては徐々にテンションが上がっちゃったりしてさー
「丸岡太郎 丸岡花子」なんつって夫婦(めおと)風に連名にしてみたり、たいして必要は無さそうだけどローマ字で書いてみたりと兎に角いろんなパターンの丸岡を書いてみんの。
もうね、テンション上がりまくってるから丸岡妄想がね、止まんないの。
でも、そのうち丸岡の丸っつー字、書きにくいなぁなんて丸岡家の一員でもないくせに文句言ってみたりすんの。
よく考えたら一度だって太郎くんから嫁にしてやるオファーなんて来てやしないっつーのにね。

でさ、歳を追うごとに未来予想図がよりリアルになってくる訳よ。
25歳までに結婚して28歳までに一人目の子供産んで、32歳までに二人目の子供が欲しいよなーとか。
上の子は男の子で、下は女の子、名前は男の子だったら〇〇で女の子だったら△△なんて。
でもって若いからちょっとキラキラした感じの名前をチョイスしたり好きなマンガの主人公の名前から付けようとしたりすんの。あと、やたら当て字感満載でフリガナなけりゃ読めねぇよ!的なね。

で、結婚して子供も出来たらあとは何が必要かってなったら家なのよ…家。
だもんで、挙句の果てには家まで建て始めてる始末。
休日に新聞と一緒に届く住宅広告を見ては将来の住処の間取りとか想像してみんの。
やっぱ、最低でもトイレは2つ欲しいよなとか言いながら。
あと電気屋の広告を見て冷蔵庫はこんなのがいんじゃないの?なんつって…
もうね、夢は膨らむばかりなの。
実際の収入なんてお構いなしだから、家も電化製品も結構良い物選びたがるし。
現実の世界だったら間違いなく破産するから!!って当時の自分に全身全霊で突っ込んでやりたい…
夢はでっかく持てよ!なんて、よく言われるけれど自分でもビックリするくらいBIGな夢物語なの。
とにかく未来予想図の中にいるであろう私の人生は順風満帆で最強な訳よ。

それがよ。
今現在、冒頭でも宣言したとおり独身。
それも気付けば四十路ときたもんだ。
ええ、もちろん一つもバツは付いてませんよ。
戸籍なんてそりゃもう綺麗なもんで…生まれた時のまんま傷ひとつありゃしないっつーの。
あの頃思い描いてた未来予想図の勢いは失速しちゃって、BIGな夢は影を潜めてやがんの。




つまり未だもって新品な状態って訳ですよ。
でもね、まっさらな状態なんですよね私…なんてこった厚かましくて口が裂けても言えない。
さすがにオギャーと生まれ落ちてから40年以上も経てば経年劣化も進んでくるし。
白い紙だって結構な勢いで黄ばんできてるだろうし、至るところがポンコツにもなってくる。
だってさ、この歳になって何の準備もなくいきなり走り出してみてごらんよ。
信号、渡り出した瞬間に点滅になりやがって「あっ、ヤバイ!」なんつって走り出したが最後…
「えっ!?足首から下がゴソっと抜け落ちた?」ってほどの勢いでカクッとなって転びそうになるし。信号と言う名のステージでヨロけちゃって車ん中からのギャラリーの冷たい視線に居た堪れなくて逃げ出したい気持ちでいっぱいだけど、足首負傷のせいで上手く逃げきれないもどかしさときたら。
ヒャっとすることなんて日常茶飯事で身体能力の減退を目の当たりにするしね。
そりゃ、いつまでも若くないってのは重々承知だけど、ショックな気持ち半分と本気でグルコサミンとか飲まなきゃダメかな?なんて思えてくる。

なんで、きっと今の私って新品だけど新古品的な感じ?
ファッション用語的にカッコ良く言っちゃえばデッドストックって感じ?
なんなら明日から「私ってデッドストック系なんですぅ〜」なんて言ってやろうかしら。
でもさ、カッコ良さげに英語で言ってみてもさ結局のところ要は売れ残っちまったってことよね。
てか多分だけど、30後半辺りで結構なセールの対象となってたはずなのね、私。
バーゲンで言うと70%OFF的なところまで行っちゃっただろうなって感じ。
安いけど同じ様なの家にいっぱい持ってっから、やっぱいらねーとか言われちゃってね…
で、そんなもんだから偶然なのか必然的だったのか売れ残っちゃった訳。
しばらく倉庫で寝かしておけば、またいつの日か急にブームがやって来たり、実は凄い価値のある商品でした的なことが分かって再びブームが訪れる日がくるのかしらね?

ちなみにデットストックって意味を調べてみる。
アルファベットで書いてみるとdead stock…なんか怖いわ〜!
「売れ残り」だの「不良在庫」だの…挙げ句の果ては「死ぬ筋在庫」ってか!!
なもんだから、ここでは敢えてカタカナ表記でボヤかして書かないと切なさで胸が苦しくなっちゃうってもんよ…
でも、あながち間違ってない様な気もするが故に否定ができない切なさと、遂に私もここまで来たかつっーう感慨深さが込み上げてくる。

跡取り問題なんて皆無な我が家であるにも関わらず、ここにきて「一生この家と姓を守っていきます!」なんて名乗りをあげた娘に両親もさぞやビックリしてるであろう。
でも、この家と姓は私で滅びちまうっていうオチがついてしまうんだけどね。
で両親にしたら、まさかこの歳まで娘がデッドストック系でいるとは夢にも思わなかったはず。
特に父親なんて娘の結婚式で一緒にバージンロード歩いてるところ想像してたはずだろうし、披露宴の一番の見せ場でもある娘から両親への挨拶で号泣するってイベントが予定として未来予想図に組み込まれてたはずだから、ほんとマジでゴメンね〜メンゴメンゴって感じっすよね。
こんな親不孝な娘で、かたじけない。

そう思うと、ほんと一つでもバツがあった方が私にも両親的にとっても救いがあったのかもしれない。
てか、私もヴィンテージ系の方に転びたかったわー。
だってヴィンテージの方が、中古(おっと、失礼)でもスゲー価値があったりする訳じゃん?
一度、嫁に出てる女性の方が経験値も高いし誰かに選ばれてるって価値がある。
で、なんつっても余裕がある風な感じに見えるよね。

それに何つったって「ヴィンテージ」で調べると完成度が高かったり、価値があったりってポジティブな感じだしね…

あの頃ドリカムは未来予想図は思った通りに叶えられてく〜なんつってたけど、私の未来予想図は思い描いてたのとは真逆な方に辿りついてしまったわ。
そういやさ、未来予想図の歌詞を真似てさ、真冬の寒い時期に彼氏のバイクの後ろに乗りながらメット5回ぶつけたりしたよな。
あの頃の私「ア・イ・シ・テ・ル」じゃなくて「サ・ム・ス・ギ・ル」ってメット越しに訴えてた。それがいけなかったのかな…

でもこれだけは言える。
人生と言う名の樹海に、どこかの拍子に迷い込んだのは間違いないはず。
多分だけど2013年の、あの時辺りが怪しいかな?なんつって記憶の糸を手繰り寄せてみる。

でもまだまだ人生の先は長いから万が一にも何かが起こるかもなんて淡い期待をしてるの。
「諦めないで!」なんつって真矢みきだって、きっと私のことを応援してくれてるはず。
薄暗い倉庫の中で再び日の目を浴びる日まで腐らず頑張って生き延びてみせるわ!