素敵な四十路なんて、まるでイケてる大人のお姉気取りでブログのタイトルを付けちゃった。
旦那は大手企業で働いてるバリバリのエリート。
子供はそこそこ良いところの学校に通ってる。
貯蓄?
「10年前に新築で家を買った時に目減りしたから少ないわよ~」なんて言いつつ
投信や株や現金をざっと合わせたら、なんだかんだ1000万以上はあったりなんかして〜
趣味?
そうねぇ…ホットヨガや料理教室に通ったり、美味しい物を食べることかしら〜?なんつって。
身体が欲する物を食べるの。
例えば旬の野菜をふんだんに使ったお料理とか?
そのためなら旦那に内緒でママ友と5,000円のランチにだって行っちゃうもんね。
あとはそうねぇ?暮らしを整えることかしら。
毎日忙しいばかりだからプライベートな時間だけでも、せめて丁寧な暮らしを心がけてますぅ~
なんてイケにイケてる奥様気取りで登場しちゃったわ。
でもね…
そんな私、四十路で独身。
子供なんておりませぬ!
いや、それ以前の問題…
旦那すらおりませぬ!!
ホットヨガなんか行った日にゃ蒸気に負けて確実に酸欠になる自信だけはあるわ!
そんでもって、おそらくは丁寧な暮らしから一番遠い場所で小さく小さく暮らしてる。
だからかな?私の周りの空気、淀んでる気がする。
てか、全くイケてねぇし、人生詰みまくり〜
結婚…?何それ、甘くて美味しいの?
結婚…?それってディズニーランドより楽しいの?
夢の国より刺激的で楽しい毎日が送れるんだったらいいけど〜
そんなこと言ってたら、気づけば40過ぎてたよね。
適齢期に結婚するなんて、流れ星を見つけほどに難しく、瞬きばっかしてたら遂に見つけることができなかったわ。
「どうか今年こそ結婚できます様に〜」
こうなりゃ、流れ星頼みで何がなんでも結婚してやる!
奥様の座をゲットしてやろうと血眼になって夜空を見上げ続ける。
でも結局、どんだけ鼻息荒くして流れ星探しに挑んだところで現実なんて世知辛いもんよ。
首も痛けりゃ、目もショボショボしてくるし…
ドライアイのせいで瞬きばっかしてる間に、ササーっと流れて消えていっちゃうよね、星。
なにより5分も夜空を眺めることがそもそも苦痛。
確実に白目剥くよね…剥いちゃうよね。
故に根気のない私は今期もまた、婚期を逃してしまうわけよ。
30代後半からヤバイよーーー!
結果出さなきゃ、そろそろ監督から放り出されるよーーー!
って親兄弟もあんなに忠告してくれたのに、気づけば40の壁をサクッと乗り越えた先には、戦力外通告の日が刻々と迫ってくる。
そのうち東山ナレーションで「プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達」に場外から失礼しやすね…なんて言いながら素人ながらメイン張れそうな気すらする。
怖いわ~、マジ怖い。
何が怖いかって、そりゃあもう、時間が過ぎてくのが早いのなんのって。
つい一昨日くらいに紅白で大泉洋がブラボーー!ブラボーーー!言ってたような気がするし。
でもって正月には気っ風の良さと大人の魅力をアピールすべく、お年玉をばら撒いてたよね。
まるでめでたくもないのに、会う人会う人におめでとーおめでとうーーなんて壊れたロボットの様に言いまくってたあの日から、もう1ヶ月も経ってるし。
正月なんて昨日の出来事のように思ってのに、実際は着実に時間が流れてる。
こりゃマズイ
この調子で行けば相当ヤバイわ。
70過ぎて、ばーさんになった頃には365日なんて1週間くらいの感覚で過ぎ去っていくんじゃないの!?
最近じゃ人生100年なんて言われてるし、仮に100まで生きてしまったら寝て起きたら1年、また1年と無駄に歳ばかり食ってて下手すりゃ150歳くらいまで生きながらえるんじゃないの?
毎日が新年明けましておめでとうー、今年も一年お世話になりました〜なんっつって毎晩布団に入っては年を越す感じでドギマギしながら過ごす老後。
考えただけで鳥肌が治らない。
「ようこそいらっしゃいました〜!」
なんて迎え入れた三十路も飛あっちゅー間にマントを翻し去って行った。
でもって、10年間もあった30代は飛ぶ鳥跡を濁さず的な感じで結婚や出産の女性の一大イベントを何も開催せず塵ひとつ落とさぬ綺麗な状態で去って行った。
10年の間にオリンピックは2回も開催されたのに、いや?冬季も合わせりゃ2回じゃ済まない。
なのに私の中のオリンピックは予選落ちで儚く終わった。
強いて言うなら置き土産的?お世話になった一宿一飯のお礼的な感じで10歳分の加齢を置いていった。丁重にお断りしてみたものの一度出したものは引っ込められねぇ!なんて言われたからしょうがなく受けっ取り、四十路へと足を踏み入れたのだ。
だからウカウカしてたら、あっという間に四十路の10年も駆け足で過ぎ去って行きそうな予感。
そしてこの予感は間違いなく当たるはず。
そこいらの占い師より当ててみせる自信がある。
なので私なりに素敵な四十路ライフを送ってやろうと誓ったのだ。
「私の40代?そりゃもう充実してたわ〜!四十路って良いわよ〜」って若造たちに言い放ちながら、余裕の笑みを浮かべて五十路を迎えたい。
2021年、節分。
むせながら年の数だけ豆を食べ、福がやってくるようにと家中に鬼の形相で豆を撒き散らす。
忘れたころに掃除の際に取りこぼした豆を踏みつけ痛みに襲われながらも幸せになってやる。
そう心に誓ってたのだ。